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◆空色の少年
中途半端に開いた教室の扉からオレンジ色の線が薄暗い廊下に伸びている。
今は夕方。
教室が黄昏色に染まる時間帯だ。

私は、オレンジ色の光が漏れている教室を覗き込んだ。
いきなり暗い廊下から明るい教室を見たため、一瞬目が眩んだ。
しばらくして慣れた目で教室を見回すと、窓際の席に突っ伏している男子生徒がいる。
誰か確かめようと思い近寄ってみると、その男子生徒は私の幼なじみだった。

どうしたんだろ…

そう思って彼に声をかける。
が…

「ねぇ」

「…」

無反応。
寝てるのかと思い、もう一度声をかけた。

「…ねぇ」

「……」

また、無反応。
しかし、彼の手の指がピクリと動いたのを私は見逃さなかった。

…寝たフリしてる

それが分かっていながら黙って去るほど、私は優しくない。
今度は声を大きくして言った。

「ねぇったら!!」

「…んだよ、うっせぇなぁ」

仕方なくといった感じで顔を上げる彼。

口悪いなぁ…
ついでに、感じも悪い

内心、なんてやつだと思いながら口を開く。

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