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「何かあったの?」

「…別に」

素っ気ない返事が返ってくる。

この反応は…多分…

「…夏菜ちゃんにコクったの?」

「…」

大当たりだ。
というか、幼なじみなのだから、これくらい分からなくては意味がない。

…こいつなら幼なじみじゃなくても、分かるかもだけど……

「…失恋?」

「…」

「…また?」

よく飽きないなぁ…

呆れたような台詞が気に食わなかったらしい。
彼は少しこちらを睨んで、不機嫌そうに言った。

「…うっせー、また言うな」

だって…

「だって、何人目よ?」

「…しらね」

しらねって…もう今年で5人目だよ……

「…はぁ」

「…なんでお前が溜め息つくんだよ?」

なんでって…あんたのせいじゃん……
全然分かってないなぁ…

「別に?また失恋パーティーしなきゃなぁと思って」

「だから…また言うな」

少し傷付いたような顔。

本当、分かりやすい…
だから犬みたいって言うけど、彼は全然気付かない。


「じゃ…行きますか」

「どこへ?」

ほら、今度は本当に不思議そうな顔してる。

「どこへでも。あんたが行きたい場所へ」

「は?なんで?」

次はは意味分からないって顔。

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