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「えっ…か、格好良くて、可愛い人です…」

もっと言えば、今僕の目の前にいます。
そう言えたら楽なのにと思いながら、質問に答える。

「ふぅん、そう。で、なんであたしに言うの?」

「それは…あの……」

改めてそう言われると戸惑ってしまう。
一体どう言えばいいのだろう。
さっきので完全にタイミングを逃してしまった気がする。
どうしよう。

「そういうのはちゃんと本人に言わなきゃ。きっと向こうも好きですって返ってくるよ」

悩んでいる僕に、先輩からのこの言葉。
はっと顔を上げると、先輩は少しにやけながら僕を見ていた。
ああ、そういうことか。

「…騙しましたね」

先輩が恨めしくなって、少し睨みながら言った。
今まで悩んでたのがバカみたいじゃないか。

「別に騙してないよ」

「嘘つきは嫌われますよ」

「嘘じゃないです。それより、ほら。ちゃんと言わなきゃ、返事貰えないよ?」

ふふっ、と楽しそうに笑う先輩。
僕はそんな先輩につられて笑った。
そして、今度はしっかりと目を見ながら言った。

「――…」





end.





おまけ


・―・―・―・

キーンコーンカーンコーン

「ざんねーん、聞こえなかった。もっかい言わなきゃね」

「…もういいじゃないですか。先輩、分かってるんですし」

「えー、ちゃんと聞きたいじゃん。ほら、もっかい」

「てか、今の予鈴ですよ?もう教室に戻らないと」

「別にいーよ。サボろ♪」

「…」

・―・―・―・

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