秘密事は図書室で~甘い会長の罠~
帰るところなのか、カバンやブレザーを抱えた先輩。
真っ直ぐ、あたしを見る。
「って…」
あたし…瀬那くんにだっこされたまま!!!
でも、今さら下ろしてなんて言えないし…
「あれ、会長。
こんな時間まで生徒会の仕事ですかぁ?」
先輩に向かって、憎たらしさいっぱいの声で言い放つ。
せ、瀬那くんっ!!!
「あぁ。今日中にやらないといけない仕事があったからね。」
そんな挑発のような言葉にも、冷静に
顔色一つ変えずに応える先輩。
「…君たちこそ……」
「っ!!」
「こんな時間まで…何をしていたのかな?
風紀的に…見逃せないよ?」
ドキンッ
クイッと、濃い青色の縁の眼鏡を上げて
にっこり微笑む先輩に
心臓が壊れそうなくらい跳ねる。
.