秘密事は図書室で~甘い会長の罠~

*彼氏だけど…?



電話を切ってすぐ、先輩が走って戻ってきた。



「ごめんね、遅くなっちゃった。」



遅く…って、まだ五分も経ってないですから。

そう思ったものの、さっさとあたしの前にしゃがむ先輩に、言葉を失う。



「…中川さん?どうかした?」


「っや、やっぱりおんぶなんですか…?」



肩を貸してくれるだけでもいいのに…

と、弱々しく言った。


いくら頑張ろう と思ったからって、恥ずかしいものは恥ずかしい。

それに……順序ってものがある。


いきなりおんぶは無理ですっ!!!///



「やっぱり前がいい?」



暢気に両腕を広げる先輩に、余計に頬が熱くなる。




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