秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


先輩の微笑みには不思議なパワーがあって、あたしの心臓はすぐに破裂しそうなほど跳ね上がる。



「…俺、晶奈の彼氏じゃないよ。」


「………ぇ??」



先輩は歩いていた足をとめ、あたしを見上げた。


彼氏、じゃない??



「いゃ、彼氏なんだけど、彼氏じゃない。」


「は……?」



きっと、すごくアホ面のあたし。


だって

だってだって…下屋敷先輩が…



「晶奈が中川さんになんて言ったかは知らないけど…

俺は彼氏であって、彼氏じゃないんだよ。」



クスクスと笑いながらそう言う先輩は、なんだか楽しそうだった。




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