秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


あれから1週間が経った。

足首はよくなって、他のところに出来ていたアザも消えてきた。


ただ、おんぶしてもらったときの感触は全然消えない。


時々思い出して赤面する。

授業中もそんなことばかりだった。



「で?聞いたの?」



お昼休み。

風邪が治って元気になった美央が聞いてきた。


「聞いた」とは、きっとあたしの質問の答え。



「まだ…あの時以来、連絡もしてないし会ってもないんだよね。」



はぁ とため息をつく。


“下屋敷先輩のこと、本当の彼女にしないんですか?”



この質問の答えが

気になるけど聞けない弱虫なあたし。




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