秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


フリーズしてしまったあたしに追い討ちをかけるように、神崎先輩が下屋敷先輩に近づいて

そっと頭を撫でた。



ドクリッ


心臓が強く跳ねる。



「………な……ね…ょ…」



神崎先輩が何か囁く。


あたしの中で危険信号が鳴り響く。

これ以上見ていたら、傷つく。


立ち直れなくなる。


わかっているのに動いてくれない足。

こんなときにまで、先輩の魔法に…呪文にかけられたっていうの?



瞳を涙で埋め尽くした次の瞬間。




下屋敷先輩が抱きついたかと思うと……


神崎先輩も突き放すことなく、腕を下屋敷先輩に回した。




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