秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


ぁ…


涙も止まってしまうくらい、衝撃的な出来事。


下屋敷先輩の泣き声と、神崎先輩の「晶奈…」ということが図書室に広がる。



スルスルとドアから離れる手。


……やっぱり、二人は両思いなんだ。

幼なじみの絆の中に、あたしは少しも入り込めてなかったんだ。



好意を持ってくれてる とか

焦ってた とか

図書委員を希望した とか


今までのことの何もかも、保証なんてないじゃない。



優しい先輩は、一人でいたあたしを可哀想に思っただけ

地味で暗いあたしをからかって、楽しんでいただけ

どんどん先輩にハマっていくあたしを見て、面白がっていただけ



……あたしは結局

先輩に近付けていなかったんだ。




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