秘密事は図書室で~甘い会長の罠~
先輩は、椅子に座ってこっちを見た。
ドキッ…
視線が交わって、心臓が跳ねる。
ぁ、そうだった!!
カバンから、淡い黄緑色の本を取り出した。
うっかり忘れるところだった。
「せ、先輩!!
これ借りてた本です…
大切な本なのに、貸していただいてありがとうございました。」
真っ直ぐ先輩に差し出し、頭を下げる。
ぁあ……緊張するょ…!!
「あぁ、ありがとう。
読むの早かったね?
どうだった?」
「ぁっ…すごくよかったです。
終わり方とか、とてもこの作家らしいと思いました。」
顔を上げると、予想していなかった
綺麗な顔をした先輩があたしを見て笑っていた。
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