秘密事は図書室で~甘い会長の罠~


先輩の手が、あたしに伸びてきたかと思うと

そのまま頭を滑った。



それだけで、徐々に広がっていく熱。

頭のてっぺんを触られたのに、爪先まで痺れてるみたい。




「ぁ、あの……」


「でも、奢らなくていいよ?
もっと中川さんと話がしたいなって思ってたんだ。

俺の都合がいい日でよければ…
…喜んで。」





ズキュッ



今日一番の眩しい笑顔。

完全にノックアウトです。




「そ、それでもいいです!!!」


「じゃぁ、都合のいい日ができたら連絡するよ。
……って、連絡先知らないや。

これ、教えてくれる?」




ズボンのポケットから黒い携帯を出して、顔の横で示した。




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