クーラーの部屋【短編】
ゲームをすること、漫画を意外と読むこと、あと……暑いのが苦手なこと。
今分かるのは、それくらい。
「友達でクーラー部屋にある人他にいないの?」
「いるけど、静音の部屋がいいから」
もう一つわかったこと、
私はなつかれてるらしい。
ゲームの効果音だけが静かに流れる。
静かな時間が過ぎていく。
無言だけど、それが自然。
居心地が悪いとも話を続けようとも焦らない浩平といるこの空気は嫌いじゃない。
「前から思ってたけどさ」
相変わらず背を向けたまま口を開く。