クーラーの部屋【短編】

「そういえばそうか。なるほど。
じゃあ俺ら似たもの同士なわけだ」



そう言った彼の顔は見えないけど、多分笑ってたと思う。



予想だけど。



勉強する手は止まったまま。



部屋は暑くはないのに気合いが入らない。



シャーペンを握ったままボヤーッとゲームの画面を眺める。



マッチョ対マッチョはいつの間にかマッチョ対チャイナに変わっていた。



「つき合っちゃう?」



静かな空間に浩平の声が響いた。



「似たもの同士、ラクそうだし」



コントローラーのボタンを押す素早い手つきに変わらないテンポ。



付き合うって恋人のこと?



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