クーラーの部屋【短編】

冗談か本気かわからない行動に、私も冗談っぽく返す。



「浩平って私のこと好きだったんだ」



「まあ……どっちかっつうと好き。
……お前は?」



「どっちかというと好き」



コントローラーを操作する音が止まった。



椅子に座って見ていた私の方を振り返って、今日初めて真っ直ぐに私を見つめた。



無表情なのに怖いと感じないし、むしろその顔に心臓が揺れたことに正直驚いた。



「じゃあ、帰るわ」



交わった瞳はすぐに逸らされ少年はすぐに身支度を始めて立ち上がった。


「今日は早いね」



浩平の動きに合わせて椅子を回転させ体の方向を変える。



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