距離は遠とし。
-美々side-
『じゃあ願ってみるから、もしもそれが叶わなかったら、俺の言うこと聞けよ?』
ツキごめんね。
あたしにはそんなこと、もうできないよ。
てっぺんに着くと2人無言になった。
あたしは目を閉じて心の中でお願い事をした。
目を開けるとツキがあたしを見つめていた。
「お願い事した?」
「おぅ」
「そっか」
「お前は?」
「したよ」
「そっか」
それからお互いなにも言わず景色を眺めた。
でも心地よかった。
「ありがとうございました」
笑って従業員がドアを開ける。
外に出た。
「帰るか?」
「待って・・・お土産見して?」
「いいけど・・・?」
お土産屋さんに向かうとたくさんのお土産があった。
「ねぇ、ツキ」
「なんだよ」
「これ覚えてる?」
あたしは、クローバーのネックレスをツキに見せた。
「それって、初めてここに来たとき、ミミが欲しいって泣いたネックレスだよな」
「覚えてたんだ」
「覚えてるに決まってんだろ」
ツキの言葉で嬉しくなる。
ツキは知ってて言ってるのかな?
そう思えるぐらいツキはあたしの心を喜ばせる。