距離は遠とし。
あたしはネックレスを持つとお会計に向かおうとするとツキが止めた。
「お前それ買うの?貸せよ」
「なんで?」
「約束しただろ?俺が買う」
そう言うとツキはお会計に行った。
・・・あたしが泣いて欲しいと言った時、
ツキが次に来た時に俺が買ってやるから泣くなと言って
小指を絡めて約束してくれた。
前来た時は買ってくれなかったから忘れたと思ってたけど・・・
覚えてくれてたんだ・・・。
ツキの背中を見て泣きそうになった。
まだ泣くのには早い。
あたしの涙・・・まだ納まっていて。
「ほい」
ツキはプレゼント用にラッピングされた小さな袋をあたしに渡して来た。
「ありがとう」
あたしは袋を強く抱きしめた。
「大事にしろよ?」
「うんっ」
「帰るか?」
「・・・うん」
門をくぐると、もう太陽は沈んで満月があたしたちを照らしていた。