距離は遠とし。

「今日はありがとう」


「別に。俺も楽しかったし」


ツキは笑って言う。




最後にあなたの笑顔が見れて良かった・・・―――――。



「ツキ」


「ん?」


「満月がキレイだね」


「・・・そうだな」


「あたしもあんな満月みたいになりたかった」


「は?なんだよいきなり」


暗い世界に光を照らすキレイな満月のようにあたしもなりたかった。


「ミミ」


「ん?」


「お前なんかあった?」


「なにもないよ」


「・・・そっか」



ごめんね、ツキ。

これがきっと最後にあなたに着く嘘だよ。



「もう遅いし、中入ろっか」


「そうだな」


「ツキっ」


「ん?」


「バ・・・イバイ」


「おぅ、じゃーな」






パタン


あたしは玄関に入ると今まで我慢していた涙を流した。



ツキ・・・・ツキ・・・・ツキ―――――――





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