距離は遠とし。
俺はどれくらいその場にいたんだろう・・・。
「ツキ?」
母さんの声で体が動いた。
「・・・母さん」
母さんはミミの玄関前にいた。
「なんでミミん家にいんの?」
心臓が叫ぶ。
「・・・ツキ。話があるの。今日は学校休みなさい」
いつもサボるなと怒る母さん。
なにがあったんだ?
「ミミん家で?」
「・・・えぇ」
母さんに近づくと母さんの目は赤くなっていて腫れていた。
「こっちよ」
いつもミミの家に入るとリビングに行くのに今日は客間に行かされた。
客間なんて入ったの初めてだ。
客間に入ると、泣き崩れているミミの母さんとそれを支えるミミの父さんがいた。
そしてその目の前に顔を下に下げた父さんがいた。
「・・・・どうしたんだよ」
また心臓が叫ぶ。
「ミミを起こさなくていーの?」
"ミミ"という単語でみんなの体が一斉に固まる。
「なにかあったのか・・・?」
「ツキ・・・落ち着いて聞いて」
母さんが俺を真剣な目で見つめる。
「それより、ミミ起こそうぜ」
学校に遅れる。
「ツキ、聞いて」
母さんが俺の肩をもって顔を近づかせ、
真剣な表情で
真剣な目で
涙を流しながら
言った。