距離は遠とし。
「ん」
ツキが腕を広げる。
あたしはツキの腕の中に抱き着く。
ツキはあたしを抱っこして1階に下りる。
あたしが眠いと言うといつもツキはあたしを抱っこして1階に下ろしてくれる。
あたしはその瞬間が大好きだ。
だって1番ツキに触れることができる瞬間だから・・・―――――――
1階に下りると、お母さんもお父さんも仕事に出かけていた。
「なに食べたい?」
ツキはあたしを椅子に下ろすと、キッチンに立った。
いつもツキはあたしの朝ごはんを作ってくれる。
「オムライス」
「は?朝から?」
「うん、食べたい」
「ハァ・・・わかったよ」
ツキはため息をつくとチキンライスを作る。
あたしは、オムライスを作るツキの背中を見つめる。
大きくなったな・・・。
小学生の時はあたしの方が大きかったのに・・・。
いつからだっけ・・・・。
あたしを抜かしたのは・・・。
いつからだっけ・・・・。
あたしがツキを"幼なじみ"としてじゃなく"好きな人"として
ツキを見るようになったのは・・・。