距離は遠とし。
「あの子・・・2ヶ月前に襲われたの」
知らなかった。
いつも笑って俺に話し掛けてくるミミ。
あのミミが・・・?
「服をボロボロにして・・泣いて帰ってきたの。・・・あの日のミミを思い出すと涙が・・」
ナホさんは涙を流した。
娘が襲われたんだ、泣くのは当たり前だ。
「ずっとね、"ごめんなさい"って・・"綺麗な体で産んでくれたのに、汚した"って・・・あの子ずっとあたしたちに謝ってきたの・・」
ナホさんは泣きながら最後に"なんであの子なの・・・?"と言った。
「ナホさん・・・」
「・・・ミミねこんなことも言ってた・・・"これじゃあ、もうツキに気持ちなんて伝えられないな"って・・・ミミはツキくんのことが・・・」
「今さっき知りました」
遺書で知ったミミの気持ち。
「そう・・・ツキくんは、あたしの話しを聞いてミミのことどう思った?」
不安そうにナホさんは俺を見た。
「俺はナホさんの話しを聞いても気持ちは変わりません。
俺はずっとミミのことが好きです。
"幼なじみ"としてじゃなく、"好きな人"として俺はミミが好きです」
ちゃんと言いたかった。
ミミにちゃんと伝えたかった。
傷ついたお前に"なにも変わらず綺麗なミミだから"と言ってあげたかった。
「ありがとう。ツキくん、本当にありがとう」
ナホさんの笑顔を見たらミミの笑顔を思い出した。