距離は遠とし。
「あの子が死んだ理由はきっと赤ちゃんができたからだと思うの」
俺もナホさんの話しを聞いてそう思った。
「遺書にも"ごめんなさい"って何度も書かれていたわ」
ミミらしい。
「ツキくんはミミを許せる?」
「俺は・・・ミミを許すことはできません」
「あたしもよ」
「生きていてくれれば俺はずっとあいつを支えることができました」
何度も生きていてくれればと思った。
「そうね・・・ミミはバカね。人生まだまだだったのに」
「はい。だから・・・だから死んだミミの分も俺は生きたい」
「・・・ツキくん」
「ナホさん、俺にとってミミはなによりも大切な存在でした」
なにがあってもミミと比べたらミミの方が大事だった。
「ミミが大好きでした」
ミミがすべてだった。
「だから、ミミを想いながら俺は生きていきます。
そして自分を誇れる人生を歩みます。
死んだときに、天国でミミに会ってもまだ俺のことを好きでいてもらえるように」
「あ・・りがとう」
ナホさんは涙を流しながら笑った。
そして俺も笑った。