距離は遠とし。

「懐かしい!」


5年振りに来たクローバーに着くと、ミミは大はしゃぎでクローバーの門を通る。



「最初どこに行く?」


「やっぱりメリーゴーランドでしょっ」


笑顔でミミは言うけど苦笑いな俺。


「嫌だ」


「ダ―メ!行こうっ」


俺の気持ちなんて関係なく、ミミは俺の腕を掴んでメリーゴーランドに向かって走る。



あの時と一緒だ。



「キャハハハ」


笑顔なミミ。


「・・・」


無言な俺。


「もっと楽しんで乗ってよ」



俺の態度が気に食わないのかミミは口を尖らして俺を睨む。


睨んでも怖くねーよ。



俺は最後まで態度を変えずにメリーゴーランドを終えた。


「ツキが笑わなかったから楽しくなかった」


「十分楽しんでただろ」


男がキャ―キャ―笑ってメリーゴーランド乗ってたらバカだろ・・・。


「次はジェットコースター」


「それは乗った」


俺たちは手を繋いで遊園地を回った。



そう、ここに初めて来た日のように・・・。



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