【花集】線香花火に叶わない願いを

最初からそうだった。


あれだけ前の日に色んな話しをしておきながら「彼女が居る」って事を知ったのはあなたが目覚めてから。


でも、この時には遅かった。


身体を重ねてしまったからじゃない。

その前から彼を好きになってた。


それがあたし達の始まり。


それから今日まで続いて来た関係。

会えるのは夜。

しかも週に2、3回だけ。

それでも最初はドライブしたり、外でご飯食べたりしてた。

でも、最近はあたしの家に来た彼と身体を重ねるだけ。

言うなればセフレ。

彼にとっては都合の良い女だって自分でも分かってる。

あの笑顔も優しさも嘘なのかもしれない。

だけど…彼に抱かれてる間は愛されてる気がするの。

だからそれでも良いと思った。

思うようにしてた。


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