【花集】線香花火に叶わない願いを
『薫子って呼んで…』
「…薫子……」
嫌いだった名前…
あなたに呼ばれると
甘く…
特別に聞こえる…
『んっ……』
塞がれた唇
夏なのにあなたの唇はとても冷たく感じた。
花火なんて
願う事をするどころか
いつの間にか呆気なく消えていた。
ネズミ花火のように彼が追いかけてくれる事もなければ
私が追いかける事もこれからは出来ない。
線香花火に願い事も出来ず
願ったとしても叶わない。
1つだけ花火が象徴してるのは…
この恋が呆気なく
儚い事だけ…。