噂話症候群 【 例えばこんな出来事 】
「 …ちえちゃん… 」


「 うん、今のうちに逃げよう 」



息をひそめ、足音を立てないように



静かに、急いで



出口を目指す



『ちえちゃん』と『真美』



ところが、思っていたよりも



建物の中は広く



出口が見つからないので


ございます



焦る二人に迫る恐怖



そして、もちろんあの占い師共が



気づかないはずがございません



「 ふん!生意気なガキ共ね!どうせ、何処かに隠れてるわよ!簡単に出口は見つからないようになってるんだから! 」



「 あぁ…そうだな!俺達が見つけるからあんたは薬でも用意しておいてくれよ 」



「 えぇ…わかった!あ!でも、殺さないでよ、大事な商品なんだからね!傷つけるのもだめよ!後々…面倒になるから! 」



さぁ、大変な事になりました



軽い気持ちで占いをしに



来ただけなのに…



ちえちゃんは真美の手を


しっかり握りしめ


必死で出口を探したので


ございます



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