噂話症候群 【 例えばこんな出来事 】
「どうかな?このワラ人形なんて、そんなに古くないぞ」



「う~ん…じゃ、誰?…でもさ、噂だと『使われていない体育館でいじめられた生徒は自殺した』って話なのに…」



「そう、校長先生の話じゃこの裏の林で自殺したんでしょ?噂と違うし…」



「…噂なんてそんなもんだろう?…しかし、今の時代にこんな儀式してるってあり得ねぇだろう?…すげぇな…」



「 ん?何か聞こえないか?」



――カーン…カーン…


「……何の音?…ねぇ?あそこに何か白い人影みたいな物がいるような…」



「……!博人、ちゃんと映ってるか?」



「あぁ!バッチリだ!…静かにしろ、気づかれるぞ…しかし、すげぇなぁ、本当にやってる…」



「え?何?何?…もしかして…」



「… おい!こっちに来るぞ!ヤバイ!走れ!逃げろ!」



「 え!?何!?やだぁ!」



「智!俺に捕まれ!」


どうやら『智ちゃん』達が見てしまったのは


白い着物姿で頭にはロウソク、そして右手はカナヅチを持った女性の姿でございました



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