噂話症候群 【 例えばこんな出来事 】

もうすぐ夜明けでしたが


季節は『冬』なので辺りはまだ真っ暗でございました



『ママの家』から『リオさん』の住むマンションまでは歩いて１０分程度



途中に坂道があってそこを登るとマンションがありました



「 リオさん 」


「 はい？ 」


坂道を登った所で声が聞こえたようなので振り向くと誰もいません


その瞬間…『リオさん』の体は坂道をゴロゴロと転げ落ちてしまったのでございます



『リオさん』は軽傷で助かりましたが、お腹の子供は残念ながら……助かりませんでした


「えぇ…何か…可哀想…ねぇ、もしかして千佳ちゃん？志保子さんが突き飛ばしたのかな？」



「え？どうして？」


「だって誰かに呼ばれた気がして見たら誰もいなくて、そしたら坂道転げ落ちたんでしょう？絶対に志保子さんじゃない？」



「うん、でもね…証拠がないの…それに送別会の後、志保子さんはママの家に泊まってたらしいの」



「う～ん…じゃ、彼氏とか？志保子さんの他のお客とか？…でも証拠がないよね～」