噂話症候群 【 例えばこんな出来事 】
「何してるの!?」


『リオさん』は片手に包丁を持ったまま『志保子さん』の子供を抱き上げてこう言ったのでございます



「フフフ…アーッハハハハ!やっと来たわ!ずっと待ってたの、この時を!」



「…何を待ってたのって言うの!?ちょっとあたしの子供をどうするつもりよ!?返してよ!!」



「…返してですって?…その言葉、そっくりあんたに返してやるわ!あんたこそあたしの子供を返してよ!!あの時、あんたが私を突き飛ばしたせいであたしのお腹の中にいた子供は死んじゃったのよ…」


「ちっ違うわ!…あたしじゃない…リオさんに子供がいたなんて知らなかったし…」



「フン!……嘘つかないでよ!知らなかった?本当は知ってたでしょ!?あたしは…あんたのせいで…もう二度と子供が出来なくなったのよ!?あんたは彼だけでなく…子供まで奪って!あんただけ幸せに暮らしてるなんて許さない!」



「なっ…待って、何するの?お願い!やめて!」



「うるさい!あんたにも……あたしと同じ苦しみを味わうといいわ!……子供を失った悲しみをね!そして一生苦しむといいわ!フフフ…アーッハハハハ!」



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