MYSTERIOUS ZONE

手に汗が出てきて、ケータイがちゃんと持てません。

自分だけが何か別の場所に置いていかれたような、ヘンな感じ。


隣にいるのが何かを確認したい。
何よ、もう、人騒がせな、って思いたい。
気持ちとは裏腹に、首も身体も動きません。


「お待たせしましたぁ、洋ランチです」

店員さんの声で我に返りました。
周りのおしゃべりも、喫茶店に流れる音楽も、耳に入ってきます。

私はケータイを閉じて、次に届くはずの自分のランチを待ちました。
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