あの雨の日、きみの想いに涙した。



プルルル……。

『……もしもし』


呼び出しのコール音のあとに聞こえた小さな声。

俺はなんの目的でかけたのか、なにを言いたくて電話をしたのかまだ定かではなかった。

でも声を聞いたら自然と言葉が出てきた。



『……スーパーマン。俺今ピンチなんだけど』

自分でも笑えるほど不器用でカッコわるい言葉。 


〝私はね、最後の最後で現れる正義のヒーローにはなれないけど、ピンチの時に駆けつけるスーパーマンにはなれるよ〟

俺が電話した相手は青木だった。

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