あの雨の日、きみの想いに涙した。
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「……冴木くん…… 冴木くん!」
何度も何度も呼ばれる名前。
次に目を開けると目の前に青木がいた。
……これは夢か?
周りを見渡すとまだ俺は路地裏で座りこんだままだった。しかもさっきよりも雨が強くて、地面に落ちたスマホを見ると完全に水没していた。
俺はどのくらい気を失っていたんだろ?今でも頭がクラクラしている。青木を見ると傘をさしてるのにずぶ濡れだった。
俺はあのあと青木にちゃんと場所を伝えたのか?足元を見ると青木のサンダルは全力で走ったとわかるぐらい泥水で汚れていた。
……俺はたぶん場所を言わなかった。
それなのに青木は俺を見つけてくれた。体は相変わらず痛くて、口の中は鉄の味がする。
それでもしっかりと意識を保って俺は口を開いた。
「青木は前に俺のことを知りたいって言ったよな?話してあげるよ。俺の全てを」