あの雨の日、きみの想いに涙した。
「とりあえず応急処置はしたけどちゃんと明日病院に行かなきゃダメだよ」
青木がコンビニで買った包帯を俺の右手に巻きながら言った。
今の時間はどこの店も閉まっていて、開いている店はコンビニくらい。青木はコンビニで揃えた絆創膏や包帯。ガーゼや消毒液を机の上に並べた。
今、青木は俺の家にいる。
どうしてこうなったかと言うと数十分前……。
『とりあえず傷の手当てをしなきゃ。立てる?』
『いや、ムリ』
動けるならもうとっくに動いてるし。それでも青木は焦らずになにを思ったのか座ってる俺の前に背中を向けて『はい』と声を出した。
こ、これはもしかして……。
考えたくないけどこの青木の行動で思い当たることはひとつしかない。
『おんぶしてあげる』
『……は?』
冗談かと思いきや青木の顔は真剣で『早く』と急かしてきた。