あの雨の日、きみの想いに涙した。
青木は買ってきた食料や医療品をガサッと俺の部屋のテーブルの上に置いた。
「ってか学校は?」
今日は平日なのに青木の服装は制服ではなく私服だった。
「……か、開校記念日なの」
なに今の微妙な間。嘘がバレバレなんですけど。
「ふーん」
俺はあえてツッコまなかった。そして思い出したように枕元にあるスマホを手に取る。
「これ、ありがとう……」
今度はすんなりとお礼が言えた。
そのあと青木は台所に向かいお湯を沸かしにいった。その理由は温めて揉むとアザが治りやすくなるという嘘か本当かわからないことを言い出したからだった。
「べつにそんなのやらなくていい」と言ったけど青木が聞く耳を持つわけがなく……。青木はお湯に浸けたタオルで俺の顔や腕に当てていく。
「背中もやってあげるから洋服脱いで」
昨日はちょっと裸が見えただけで可愛い声を出してたくせに。青木はこうと決めたら曲げられない性格だし、ふいに見えてしまった裸と手当てのための裸はどうやら別物らしい。
「やんなくていいよ、べつに」
「ダメ!早く」
やっぱり青木には逆らえない。俺は上着を脱いで上半身裸になった。そして青木に背中を向けると温かいタオルが優しく当たる。
「ほら、こんなに青アザになって……」
すると突然、青木の手が止まった。