あの雨の日、きみの想いに涙した。
そのあと俺は青木に付き添ってもらって駅前にある病院に行った。折れた右手を見てもらい、全治1か月と診断された。テーピングをして動かないように固定されてしまったため不便でしかたがない。
「もう大丈夫だから今からでも学校行けよ」
病院の帰り道、俺は青木に言った。
「え?」
「こんな中途半端な時期に開校記念日の学校なんてあるかよ」
「あははは……」
青木はバレたって顔をして苦笑いを浮かべる。
「でも今日は大した授業じゃないし……」
「いいから行け」
「んー、わかったよ」
普通ならこのあと青木と飯でも食べて1日ゆっくり過ごすのもいいかもしれないけど、俺はこれ以上青木の世話になりっぱなしは嫌だった。
利き手は当分使えないし、体はまだ重たいし男としてなんだか青木に色々やってもらうのはカッコ悪い気がして。
渋々学校へと向かった青木と別れた俺はそのまま家に帰った。すると一通のハガキが玄関に挟まっていた。
宛て先を見てすぐになんのハガキだか理解できた。