あの雨の日、きみの想いに涙した。
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次の日。昨日よりは痛さの引いた体をベッドから起こす。時間は朝の7時。俺は制服に着替えて顔に貼ってある絆創膏とガーゼを外した。
鏡の前に立って髪の毛で傷が見えないように悪あがきをしてみても、頬は口元はどうにもならない。
俺が今日こうして制服に着替えたのは学校に行くためじゃない。これから二時間かけて電車に乗り、ハガキに書いてある場所へと向かう。
外に出る直前に居間に行くといつもとは違う光景が目に入った。
薄暗い居間にパッと咲く白と黄色の菊の花。母親とじいちゃんがいる仏壇にそれは飾ってあった。
……いつの間に。
花を供えた人がだれかなんて考えなくても明らかだ。俺は仏壇の前に座って手を合わせた。
〝今からばあちゃんがそっちに行くよ〟
そう心の中で言いながら。