あの雨の日、きみの想いに涙した。
結局学校に着いたころには11時を過ぎていて、すでに4限目がはじまっていた。べつに途中から行ってもいいんだけど、絶対に注目を浴びてしまう。
ただでさえ4日も休んでるのに。しかもこの顔の傷じゃだれだって見るに決まってる。
俺は授業が終わるまで屋上にいることにした。たった4日しか経ってないのになんだか久しぶりな気分。
屋上はやっぱりすごく落ち着いて、俺はいつものように仰向けになりながら空を眺めた。
俺は電車の中で青木に言った言葉を思い出していた。
――『俺……青木がいたから今も生きてるよ。それで、これからも生きていけると思ったよ』
あの言葉は嘘偽りない本心で言わずにはいられなかった。
だけど、言わないほうがよかったのかなって今さら思ってる。だって青木が泣いたから。その言葉を聞いて泣いてたから。
あの涙はなんだったんだろう……?
今まで女の涙なんてなんとも思わなかった。女ってすぐに泣くし、泣けばいいとさえ思ってる。男は女の涙に弱いと言うけど俺にとってはなにも感じないものだったはず。
それなのに、どうしてこんなに気になるんだろうか。