あの雨の日、きみの想いに涙した。
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「具合どう?」
俺は目を覚ました青木に聞いた。最初はボーッとしていた青木だけど、そのうち我に返ったようにベッドから飛び起きる。
「あ……そっか。私泊まったんだっけ……」
寝癖を隠すように慌てて髪をいじる姿を見て、風邪が悪化していないことに安心した。
「今日学校どうする?」
「え、そっか。学校……」と青木はまだ頭が回っていない様子。
俺はテーブルに置いてあるビニール袋を手にとって、それを青木に渡した。その中はおにぎりとサンドイッチ。実は数時間前にひとりでコンビニに行って買ってきたものだった。
「え?これ私の分?……ありがとう」
「昨日なにも食べてないから腹減ってると思って。ゆっくり食べなよ。どうせ学校行っても遅刻だし」
時計の針は9時45分をさしていた。俺は学校に行っても行かなくてもどっちでもいいし遅刻なんてしょっちゅうしてる。
青木はそんなタイプじゃないから一応起こそうかと考えたけど……やっぱりスヤスヤ寝ている青木を起こせなかった。