あの雨の日、きみの想いに涙した。
消化できない気持ちを抱えたまま俺は学校に着いた。
正直体は重くて、このまま保健室に直行して寝たいぐらい。
こんなに考えることではないのかもしれない。
こんなに……焦ることはないのかもしれない。だけど、どうしても今すぐに真相を知りたかった。
頭よりも先に体が動くほど衝動的になれるなんて自分でもビックリしている。
時計の針はもうすぐ4限目の終わりをさそうとしていた。
三階へ上がる階段の途中でチャイムが鳴り、一斉にざわめく廊下。食堂に向かう生徒たちとすれ違いながら俺は自分のクラスを通り過ぎる。
「あれ?冴木学校きたんだ。てっきり今日は来ないかと思ってたけど」
丁度教室から出てきた竹田が財布片手に話しかけてきた。
「一緒に昼めし買いにいく?」
「あー、俺はいいや。用があるから」
「ふーん。わかった」
竹田と別れた俺は自分のクラスを省いて、2組から6組までの教室を見て回ることにした。各教室のドアを覗きこんであの女がいないか確認する。