あの雨の日、きみの想いに涙した。




2組いない。3組いない。4組……いた。

俺はそのまま教室に入って宮野麻奈が座っている席へと近づいた。宮野麻奈は女子数人とお弁当を広げていて俺に気づいた周りの女子たちがざわつく。


「……ちょっといい?」

俺は周りの視線なんか気にせずに声をかけた。

その顔は一瞬驚いた顔をしていたけど慌てる様子はない。まるで俺が来るのを待っていたようにも見えた。

べつにこの場で話してもよかったんだけど、これ以上面倒なことにはなりたくないから俺と宮野麻奈は人気のない屋上へと移動した。


屋上は普段出入り自由だけど、昼ご飯を屋上で食べることは禁止されている。だから昼食時の今の時間は屋上に人影はなかった。 

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