あの雨の日、きみの想いに涙した。
「お前、俺になにを求めてんの?」
「………」
「お前に彼氏がいてもいなくてもどうだっていい。だって興味がないことに変わりはないんだから」
凍りついた心が俺の全てを冷たくする。
「彼氏と別れて俺にどうしてほしいわけ?遊んでほしい?付き合ってほしい?彼女にしてほしい?それとも毎日セックスしてほしい?」
――パンッ!!
乾いた音とともに女の右手が俺の頬に強く当たった。
「最低」
その言葉を残して女は俺の前から去っていった。
俺は叩かれた場所を手で触りながら何事もなかったように教室へと向かう。周りでは生徒たちがまたヒソヒソとなにかを言っていた。
でも別に関係ない。自分がどう言われていようと、どう見られていようと興味がない。
必要以上に俺になにかを求めるな。
俺にはなにもない。
この冷酷で冷たい心以外、なにもないんだから。