あの雨の日、きみの想いに涙した。
まるで未知の単語みたいに言葉が頭に入ってこない。雑音がうるさい教室で〝合コン〟という意味を考えて、面倒くさいという感情しか沸いてこない。
「行か……」
「いや、もう行くの決定だから」
「は?行かねーから。合コンとかもうその言葉だけでだるい」
……つーかなんで俺を誘うんだよ。他にも男はいっぱいいるし、絶対行くわけないって分かってる俺を誘う神経がわからない。
「いや、マジで頼む!」
「だからさー……」
それでも竹田は諦めない。
「わかってる!わかってる!お前は全っ然女に不自由してないしお腹一杯なのも知ってる。それでも頼むよ」
まるで神頼みでもするかのような顔。竹田はずっと俺に頭を下げ続けていて、その必死な姿に強く突き離すことを躊躇った。
「なんで俺なんだよ。他の人を誘えばいいじゃん」
こういう譲らないって目に俺は弱い。それに俺と関わろうなんて思う男はこの学校にはいないから竹田の行動が読めなすぎて調子が狂う。