あの雨の日、きみの想いに涙した。
「だって、お前がいれば絶対女の子はすぐ帰ったりしないだろ?実は俺の気になる子がくるんだよ……。明日はチャンスなのにすぐ帰られたら俺……」
いや。そんなことを言われても。
「マジで頼む……!!座ってるだけでいいから!」
竹田が切実にもう一度頭を下げた。
たぶん他のヤツなら俺は冷たく流してると思う。でも竹田には……なぜかそれができなかった。
「……わかったよ」
「ま、マジで!?え、マジか!ありがとう!当日は俺のおごりだから!なんでも食って飲んでいいからな!」
竹田はさらに大きな声になって、いつも俺の席は静かなのに今日はやたらと騒がしい。
合コンとか一生行きたくなかったけど竹田の熱意に負けてしまった。本当は死ぬほど面倒くさいけど。