あの雨の日、きみの想いに涙した。



ドタキャン……?よく言うよ。

『絶対来て』と昨日の放課後までしつこく言い続け、挙げ句の果てには俺のスマホを奪い取って勝手に連絡先の交換。そして遅刻しないために9時から鬼電の嵐。

本当に竹田じゃなかったら今頃ブチキレているところだ。



「あ、そうそう冴木!女子たちと合流する前に言っとくことがある!」

「なに?」

「今日はどんな女が来ても絶対に手を出さないこと!お前は座ってるだけだからな」

竹田以外の男も「うんうん」と頷いていた。


「いいか?お前はいっぱい女の子がいるんだから今日は俺たちに回してくれよ」


別に言われなくても手なんか出さないし出す気もない。

そもそも自分から出したことなんかないし。
< 26 / 291 >

この作品をシェア

pagetop