あの雨の日、きみの想いに涙した。
本当は今でも怖い。俺は冴木由希という人間でいつもだれかに見られては噂される毎日。
でもそれは今まで自分がしてきたことのせいだから、しかたないとさえ思ってる。だけど、俺といることで周りの人が嫌な思いをすることだけは嫌だ。
俺みたいに悪く言われたり、ヘンな噂をたてられたり、今だってそう。
こんな風にふたりで話してるだけで青木は他の人から違う目で見られてしまう。
それがすごく、すごく嫌だ。
でもきっと青木はこんな俺を見てこう言うだろう。
いいじゃない別に、って。
周りがどんな風に冴木くんを見ようと私はちゃんと知ってるから、って。
きっと、きっとそう笑って言ってしまうんだと思う。
俺のことを俺以上に知ってる友達、そして大切な人。
そんな人たちにこれからなにを返していけばこの気持ちは伝わるのだろう。難しいことはまだわからないけど、今言えることはたったひとつ。
大切な人が変えてくれた俺であり続けることが、精いっぱいの感謝の気持ち。