あの雨の日、きみの想いに涙した。
人を好きになることで、こんなにも世界が変わって見えるなんて思ってもみなかった。
理由がなくても一緒にいてくれる人。
こんな俺を好きになってくれた人。
俺はきっとこの先なにがあっても昔の自分に戻ることはないだろう。だって俺は今の自分が最高に好きだから。
その夜。俺と青木は星を見にいった。もちろんいつもの場所で。
「みんな見てたから明日すごい噂が流れてるかもね」
プールのフェンスに寄りかかりながら青木が星を見上げてる。その顔はなぜか嬉しそうだ。
「本当にいいの?」
俺が聞く最後の確認。返事なんて聞く前からわかってるけど。
「いいよ。冴木くんとならどんな噂でもね」
やっぱり青木にはいつになっても敵わない。
でもそれでいいと思った。弱い俺も頼りない俺も全部許してくれるのは青木だけだから。
「綺麗だね」
夜空に光輝く星を見て、青木が呟く。
「うん、綺麗」