あの雨の日、きみの想いに涙した。
少し俺の話をしよう。
俺の家族は三人家族だった。父親と母親と俺。
父親の家庭内暴力はひどく、働きもしないで家にいる日々が続いた。
酒を飲んでは母親を殴り、酒がなくなれば俺を殴り。俺をかばう母親は余計に殴られて本当に死んでしまうのではないかと思っていた。
もっとも母親が殺される前に俺が父親を殺してやろうと思っていたけど。
これは冗談ではなく本気だ。たぶんあの生活が今も続いていたら俺は間違いなく少年院に入ってる。
たぶんその頃からだ。頭のネジが一本ぶっ飛んでしまったのは。
今じゃ一本どころか外れるネジさえない冷血人間に成長してしまった。全部あのDV野郎のせいだ。