あの雨の日、きみの想いに涙した。
俺はズキズキしてる後頭部の痛みと胸のムカつきで気分は最悪だった。
たしかにあの時のお茶は俺が持ってるけどもらった覚えはねーし、そっちが無理やり押しつけてきたくせに本当に腹がたつ。
だけどこんな小さなことでずっと借りがあると思われても迷惑だ。
俺はしかたなく竹田たちと一緒にマックに向かうことになってしまった。
「みんななに食べる?」
駅前にあるマックに着いて、竹田たちはメニューを見はじめた。
「私はなににしようかな……」
さっきペットボトルをぶん投げてきたにも関わらず、何事もなかったように青木夏月はメニューを選ぶ。
……あー、本当にイライラする。
「おい。早く飲みもの決めろよ」
俺はポケットから財布を出して横目で睨んだ。理不尽な要求だとわかっているけど、ここで言われたとおりにすれば解決すること。
俺は絶対に借りを作りたくない。ましてこの女なんかに……。こいつに飲みもの買ったらさっさと帰ろう。今日は色々ありすぎて疲れた。
「いらない」
ザワザワとうるさい店内で隣から耳を疑う言葉が。
「……は?」
「だから飲みものはいらないって」