あの雨の日、きみの想いに涙した。
5THE Lie 青い空
15分電車に揺られて香月駅に着いた。改札を抜けて外に出る間、青木とは喋らなかった。
いつも向こうからペラペラと話しかけてくるくせに〝青木でいいよ〟と言った以来口を開かない。まあ、べつに俺も話したいわけじゃないけど。
「ねえ、今日の夜、星を見ない?」
青木が突然そんなことを言ってきた。
「は?星?」
「今日は綺麗な青空だったからきっと夜空も綺麗だよ。あのコンビニで待ってるから」
「え、ちょっ……」
まだ返事もしてないのに一方的に約束をして青木はそのまま帰ってしまった。
……星とかなに言ってんだ、あいつ。
そもそも返事を聞かないまま普通帰るか?星なんか見ないし興味ねーし、帰って寝たい気持ちのほうが勝っていた。