あの雨の日、きみの想いに涙した。
なんで青木はこんなことを簡単に言えるんだろう。
なんでこんなにも……青木の言葉が心に響くんだろうか。
なにをしても冷たかったくせに、凍りついて溶けなかったくせに、なんで……。
「なあ、お前なら……。青木なら今日みたいに晴れてた青空の下でなにをすんの?」
青木は俺が質問したことに驚いたのか、質問の内容に驚いたのかわからないけど、ビックリしていた。でもそれはすぐに笑顔へと変わる。
「だからなにもしない。綺麗な青空だねって言うかな。今と一緒だよ」
あの時屋上で青木の顔が浮かんだのはやっぱり疲れのせいではなかったのかもしれない。
だって今日の青木の姿も明日になればきっと頭に浮かぶから。
それがなぜなのかなんて、やっぱり説明できないけど。