あの雨の日、きみの想いに涙した。





「お前、あのあとどうなったの?」

次の日。学校に行くと竹田がニヤついた顔で話しかけてきた。

俺はただでさえ朝が弱いのに、バカでかい竹田の声でいつも以上にテンションが下がる。


「あのあとってなにが?」

俺は自分の席に座って、竹田は当たり前のように前の席へと腰をおろして視線を俺から外さない。


「なっちゃんとだよ!昨日ふたりでマックからいなくなったじゃん!」

なっちゃん……ああ。青木か。


「いなくなったんじゃねーよ。俺が帰ったの」

「でも一緒に電車に乗って帰ったんだろ?お前が南女子校の生徒と一緒にいたって噂になってるぜ」

はあ……また噂かよ。超うぜ……。


「まあ、なにか進展があったら報告よろしく。なんたって俺はふたりの出逢いの場にいたわけだから」

竹田はそう言って俺の肩を叩いた。


進展……?報告……?相変わらずバカだな、竹田は。

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